美容室のSNS採用ガイド|美容学生と中途スタイリストに届く発信・DMのコツ | PRESNS
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美容室のSNS採用ガイド|美容学生と中途スタイリストに届く発信・DMのコツ

「求人サイトに出しても応募が来ない」「やっと入ったアシスタントが1年もたずに辞めてしまう」「スタイリストの中途採用は紹介頼み」——美容室オーナーの採用の悩みは、ここ数年でさらに深刻になっています。

一方で、美容師ほど日常的にInstagramを使いこなしている職種はありません。お客様はインスタでサロンやスタイリストを選び、美容学生もインスタやTikTokで「どのサロンで働くか」を見ています。つまり美容室にとってSNSは、集客の場であると同時に、すでに採用の主戦場になっています。

この記事では、美容室がSNS採用に取り組むときの考え方を、次の流れで解説します。

  • 美容師採用が難しくなっている背景(公的データ・業界調査から)
  • 美容学生(新卒)と中途スタイリストで、発信をどう変えるか
  • InstagramとTikTokの使い分け
  • スタッフ個人アカウントを採用に活かす方法と、決めておくべきルール
  • DMアプローチの例文とマナー
  • 求人情報の表示ルールなど、SNS採用ならではの注意点

PRESNSの支援現場でも、サロンの公式アカウントでヘアスタイル写真を並べるだけでなく、オーナー(経営者)本人が育成方針やキャリア設計・サロンの価値観を自分の言葉で発信したことで、面接前に動画を見て共感した求職者からの直接応募や見学につながっています。

美容室の採用はなぜここまで難しいのか

まずは、美容師採用を取り巻く状況を数字で確認しておきます。「うちの店だけが採れていない」のではなく、業界全体で人の取り合いが起きていることがわかります。

求人倍率は全職業の中でも高い水準

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によると、美容師の有効求人倍率は令和7年度で5.06倍です。有効求人倍率とは、仕事を探している人1人に対して何件の求人があるかを示す数字で、5倍を超えるということは、求職者1人を5つ以上の求人が取り合っている状態です。

店舗は増え続けている

厚生労働省の衛生行政報告例によると、令和6年3月末時点の美容所(美容室)の数は27万4,070施設で、前年度から1.5%増えています。従業美容師数も57万9,768人と前年より増えていますが、店舗数も増え続けているため、1店舗あたりで見れば採用競争が緩む状況ではありません。

「入っても辞める」問題が採用をさらに苦しくする

リクルートのホットペッパービューティーアカデミーが実施した「美容サロン就業実態調査(2024年)」では、学校卒業後の初職が美容師だった人のうち、その職場での就業期間が3年未満だった人は36.7%にのぼりました。また、初職を辞めた人のうち美容師を続けたのは55.4%で、残りの多くは美容と関係のない仕事に移るか、就業していない状態です。

同調査では、初職を辞めた理由の1位は給与に関する不満で、職場環境や人間関係への不満も上位に入っています。

この数字が意味するのは、採用の問題は「応募数を増やす」だけでは解決しないということです。入社前に、給与の仕組み・教育の進め方・人間関係の雰囲気をどれだけ正直に伝えられるかが、採用後の定着まで左右します。そして、それを伝えるのに最も向いている手段がSNSです。

美容室こそSNS採用が向いている3つの理由

SNS採用はどの業種でも注目されていますが、美容室は特に相性がいい業種です。

1. 美容師はもともと「インスタで仕事を見る・見られる」職種

美容師は、自分のスタイル写真をインスタに載せて指名を取る働き方が一般的になっています。求職者側もインスタを見る習慣があり、サロンのアカウントやスタッフの投稿を見ることに抵抗がありません。採用のためにわざわざ新しい行動をしてもらう必要がないのは、他業種にはない強みです。

2. 求職者が知りたいのは「条件」より「空気感」

美容師が職場を選ぶときに気にするのは、給与や休日だけではありません。「先輩は優しいか」「練習はどれくらい厳しいか」「スタイリストがどんな雰囲気で働いているか」といった、求人票の文字では伝わらない部分です。

SNSの動画や日常投稿は、この空気感を伝えるのに向いています。求人媒体では横並びになってしまう条件の差を、雰囲気や考え方の違いで埋められます。

3. 採用コストを「資産」に変えられる

求人媒体への掲載は、掲載期間が終われば何も残りません。SNSの投稿は、アカウントに蓄積され続けます。半年前に投稿した「アシスタントの1日」の動画を、今日初めて見た学生が見学に来る、ということが普通に起こります。

SNS採用にかかる費用の考え方は「採用SNSの費用はいくら?自社運用・広告・代行の相場と内訳」で詳しく解説しています。

美容室のSNS採用は、次の6つのステップで組み立てると整理しやすくなります。

美容室SNS採用の6ステップ

この記事では、このステップに沿って順番に解説していきます。

美容学生(新卒)と中途スタイリストで発信を変える

美容室のSNS採用でいちばん多い失敗が、「新卒も中途も同じ投稿で採ろうとする」ことです。美容学生と経験者のスタイリストでは、知りたいことも、不安に感じていることもまったく違います。

美容学生が知りたいこと

美容学生にとって、最初のサロン選びは「どこで美容師としての基礎をつくるか」の選択です。前述の調査のとおり、初職を3年以内に離れる人が少なくないことを、学生自身も先輩や学校の先生から聞いています。そのため、次のような情報を求めています。

  • スタイリストデビューまでの期間と、教育カリキュラムの中身
  • 営業後の練習がどれくらいあるか、練習は営業時間内か外か
  • アシスタント期間の給与と、デビュー後にどう上がっていくか
  • 休日の取り方、有給休暇の取りやすさ
  • 先輩アシスタントや1〜2年目スタッフの本音
  • 怒られたとき・失敗したときに、どんな雰囲気になるか

特に効くのは「1〜2年目の先輩が出てくる投稿」です。学生にとってオーナーや店長は遠い存在ですが、2〜3歳上の先輩は「自分の数年後」として具体的にイメージできます。

中途スタイリストが知りたいこと

一方、経験のあるスタイリストが転職を考えるときは、「今の働き方より良くなるか」を冷静に比べています。

  • 給与の仕組み(固定給と歩合の割合、指名料の扱いなど)
  • 集客をどこまでお店がやってくれるか(新規客の入り方、広告の有無)
  • 既存のお客様を連れていけるか、どう扱われるか
  • 時短勤務や週休3日など、働き方の選択肢
  • ブランクがある場合の復帰サポート
  • 将来の選択肢(店長、教育担当、独立支援、業務委託への切り替えなど)

中途スタイリストは、華やかな雰囲気よりも「仕組み」を見ています。「売上〇〇万円なら手取りはいくらくらいになるか」をモデルケースで示す投稿は、それだけで比較検討の土台に乗れます。

新卒と中途の発信を比べると

項目美容学生(新卒)中途スタイリスト
主な不安厳しすぎないか、続けられるか今より稼げるか、自由度はあるか
刺さる登場人物1〜2年目の先輩アシスタント同世代のスタイリスト、店長
刺さるテーマ練習風景、デビューまでの道のり、休日給与モデル、集客の仕組み、働き方
投稿のトーン明るく、等身大に具体的に、数字で
相性のいいSNSTikTok、InstagramリールInstagram(投稿・ハイライト)
応募の手前の受け皿サロン見学、学生向け練習会カジュアル面談、店舗見学

アカウントを分ける必要は必ずしもありませんが、投稿ごとに「これは学生向け」「これは経験者向け」と決めてから作ると、内容がぶれません。ハイライト(インスタのプロフィール下に固定できるストーリーズのまとめ)を「新卒採用」「中途採用」で分けておくのも有効です。

「フォローされない」前提で設計する

就活生のSNS利用については、トガル株式会社が21〜23歳の学生を対象に行った調査(2025年8月実施)で、企業の公式アカウントをフォローしていない学生が78.2%、その最多の理由が「プライベートのSNSに就活情報を混ぜたくない」だったと報告されています。また、就活で見たいコンテンツの1位は「社員の働く姿・職場環境」でした。

この調査は美容学生に限ったものではありませんが、美容室の採用にも示唆があります。学生はフォローせずに「こっそり見ている」可能性が高いということです。

そのため、採用アカウントの成果はフォロワー数ではなく、プロフィールへのアクセス数、投稿の保存数、見学申し込み数で見るのが現実的です。フォロワーが少なくても、見学の申し込みが毎月入っていれば、採用アカウントとしては機能しています。上位の解説記事ではあまり触れられていない視点ですが、ここを誤解すると「フォロワーが増えないからSNS採用は意味がない」と早々にやめてしまうことになります。

InstagramとTikTokの使い分け

美容室の採用で主に使うのは、InstagramとTikTokの2つです。両方を同じように頑張るより、役割を分けたほうが少ない労力で成果につながります。

Instagram:「確かめに来る場所」として整える

Instagramは、求職者が「このサロンってどんなところだろう」と確かめに来る場所です。TikTokや求人媒体、学校の求人票でサロン名を知った人が、最後にインスタで中身を確認する、という流れが多くなります。

Instagramで整えておきたいのは次の3つです。

  • プロフィール:採用中であること、新卒・中途の募集状況、見学申し込みの方法を明記する
  • ハイライト:「新卒採用」「中途採用」「教育カリキュラム」「スタッフ紹介」「よくある質問」など、知りたい情報にすぐたどり着けるようにする
  • リール:スタッフの日常、練習風景、営業後の様子など、雰囲気が伝わる短い動画

スタイル写真中心の集客用アカウントで採用も兼ねる場合は、プロフィールとハイライトで採用情報への入口を用意するだけでも効果があります。採用専用アカウントを別に作るなら、集客用アカウントのプロフィールから必ずリンクを張りましょう。

Instagram採用の他業種の事例は「Instagram採用の成功事例10選」でも紹介しています。

TikTok:「知ってもらう入口」として使う

TikTokは、フォローしていない人にも動画が表示されやすい仕組みのため、まだサロンの名前を知らない人に届けるのに向いています。美容学生を含む若い世代の利用も多く、新卒採用の入口として使いやすいSNSです。

TikTokで反応を得やすいのは、作り込んだ映像よりも、等身大のリアルな動画です。

  • 「アシスタント1年目の1日」を朝から閉店まで追う
  • 練習でうまくいかなかった日の振り返り
  • 先輩スタイリストに「学生時代にやっておけばよかったこと」を聞く
  • オーナーが「うちの店で怒らないと決めていること」を話す
  • スタッフ同士の休憩中の雑談

TikTokで興味を持った人が「プロフィール → Instagram → 見学申し込み」と進めるよう、TikTokのプロフィールにもInstagramや採用ページへの導線を置いておきます。

2つのSNSの役割を比べると

項目InstagramTikTok
主な役割確かめる・比べる場所知ってもらう入口
主に届く相手サロンを検討中の人、中途スタイリストまだサロンを知らない美容学生・若手
向いている投稿ハイライト、給与・教育の解説、スタッフ紹介日常、練習風景、本音トーク
重視する数字プロフィールアクセス、保存数、DM再生数、プロフィール遷移
更新の目安リールと投稿を週2〜3本週2〜3本、続けられる範囲で

更新頻度は「理想」より「続けられる量」で決めるのが大切です。最初は週2本でも、半年続ければ50本近い採用コンテンツがたまります。

オーナー自身の発信が、採用を大きく変える

ここまでスタッフやサロンの発信について書いてきましたが、美容室のSNS採用で見落とされがちなのがオーナー自身の発信です。

求職者は「誰の下で働くか」を見ている

前述の調査で、美容師が初職を辞める理由の上位に、給与・職場環境・人間関係への不満が挙がっていました。どれも、最終的にはオーナーの考え方や方針で決まるものです。

給与の仕組みをどう設計しているのか、教育で何を大切にしているのか、スタッフが辞めたときに何を反省したのか。こうしたことをオーナー自身の言葉で発信しているサロンは、求職者から見て「どんな人がこの店をつくっているのか」がわかります。働く前に価値観が合うかを判断できるため、入社後のミスマッチも減ります。

オーナーが発信するとよいテーマ

  • なぜこのサロンを始めたのか、どんな店にしたいのか
  • 給与や評価制度を、なぜ今の形にしているのか
  • アシスタントの教育で、やっていること・やめたこと
  • 過去にスタッフが辞めたとき、何を変えたか
  • スタッフの独立や将来のキャリアを、どう応援しているか
  • 業界の働き方について、自分はどう考えているか

ポイントは、きれいごとだけでなく失敗や迷いも話すことです。「昔は営業後の練習を毎日強制していたが、それで辞めた子がいて考えを変えた」といった話は、どんな求人票よりも信頼につながります。

顔出しや長文が苦手でも始められる

オーナーが毎日発信する必要はありません。月に数本、スタッフが撮ったインタビュー動画に答えるだけでも十分です。「オーナーに聞いてみた」形式なら、話すのが苦手な方でも自然に撮影できます。

経営者の発信がなぜ採用やブランドに効くのかは「経営者ブランディングとは」で詳しく解説しています。

PRESNSが経営者発信を設計する際は、まずオーナーに「どんな美容師に育ってほしいか」「過去の採用でどんなミスマッチがあったか」を深くヒアリングし、月1回(2〜4時間)のまとめ撮りで10〜30本分のショート動画素材を収録できる体制を整えます。オーナー本人の言葉が加わることで、他サロンとの明確な差別化が生まれます。

スタッフ個人アカウントの活かし方とルール

美容室の大きな特徴は、スタイリスト一人ひとりが自分のInstagramアカウントを持ち、指名集客に使っていることです。この個人アカウントは、採用でも強力な武器になります。

個人アカウントが採用に効く理由

求職者、特に中途スタイリストは、サロンのアカウントより先に「そこで働いているスタイリストの個人アカウント」を見ることがあります。スタッフが楽しそうに働いている様子や、技術を磨いている姿が個人アカウントから伝わると、サロンの公式発信よりも信頼されやすくなります。

美容学生にとっても、憧れのスタイリストがいるサロンは志望先の候補になります。個人アカウント経由で「この人の下で学びたい」と見学に来るケースは、美容業界ならではの採用ルートです。

採用につなげる具体的な方法

  • スタッフのプロフィールに「〇〇(サロン名)で一緒に働く仲間を募集中」と一言入れてもらう
  • サロンの採用投稿を、スタッフのストーリーズでシェアしてもらう
  • スタッフ自身の「入社して〇年で感じたこと」を個人アカウントで発信してもらう
  • 個人アカウントに届いた採用関連のDMを、採用担当につなぐ流れを決めておく

ここで大切なのは、スタッフに採用活動を強制しないことです。個人アカウントはあくまで本人の集客の場です。採用投稿ばかりを求めると、お客様にとっての魅力が薄れ、本人の売上にも影響します。お願いするのは「ときどきシェアしてもらう」程度にとどめ、協力してくれたスタッフには感謝を伝えたり、評価の際に考慮したりするとよいでしょう。

必ず決めておきたい個人アカウントのルール

個人アカウントは便利な反面、トラブルの原因にもなります。採用に活かす前に、次の点をスタッフと話し合って決めておくことをおすすめします。

  • お客様の写真の扱い:スタイル写真を載せる前に、お客様から掲載の同意を取る。顔が写る場合は特に注意する
  • サロンの内部情報:売上、他スタッフの給与、未発表の情報などは投稿しない
  • 他スタッフの写り込み:一緒に写るスタッフにも確認してから投稿する
  • 退職時の扱い:退職後もアカウントは本人のものであること、サロン名を含むアカウント名や投稿の扱いをどうするかを事前に決めておく
  • 顧客とのDM:お客様とのやり取りのルール(予約は公式経由にする、など)

特に退職時の扱いは、揉めやすいポイントです。「辞めたらお客様を連れて行かれる」という不安から個人アカウントを禁止するサロンもありますが、それでは優秀なスタイリストほど入社をためらいます。禁止するより、入社時にルールを明文化しておく方が、オーナーとスタッフの双方にとって健全です。

DMアプローチ:見学・面談につなげる声のかけ方

発信だけで応募を待つのではなく、こちらからDMで声をかける方法もあります。美容業界はインスタで技術や人柄が見えるため、DMアプローチと相性のいい業界です。

美容学生へのDM

美容学生へのDMは、ハードルの低い場に誘うのが基本です。いきなり「うちに応募しませんか」ではなく、見学や学生向けの練習会、撮影会など、気軽に参加できる場を提案します。

〔名前〕さん、はじめまして。〔エリア〕の美容室〔サロン名〕でオーナーをしている〔自分の名前〕です。
〔投稿の内容〕の投稿を拝見しました。〔具体的に良かった点〕がとても素敵で、ご連絡しました。
うちでは美容学生さん向けに、〔月1回〕サロン見学と先輩アシスタントとの座談会をしています。就職先を決めるためではなく、サロンの雰囲気を知ってもらう会なので、よかったら気軽に遊びに来てください。〔詳細URL〕

美容学生へのDMで気をつけたいのは、次の点です。

  • 投稿内容から高校生とわかる相手には、原則としてDMを送らない
  • 学校によっては、サロンからの直接の勧誘についてルールを設けている場合があるため、気になる場合は学校の就職担当に確認する
  • 返信がなくても何度も送らない(送るとしても、フォローは1回まで)
  • 夜遅い時間帯に送らない

中途スタイリストへのDM

中途スタイリストへのDMは、「引き抜き」に見えないように配慮が必要です。相手は今も別のサロンで働いていることが多いため、今の職場を否定するような書き方は避け、情報交換のスタンスで声をかけます。

〔名前〕さん、突然のご連絡失礼します。〔サロン名〕でオーナーをしている〔自分の名前〕です。
〔スタイルの特徴〕のスタイル、いつも拝見しています。〔具体的に良かった点〕に、とても惹かれました。
いまうちでは、〔働き方:時短/週休3日/集客サポートなど〕の形で一緒に働けるスタイリストを探しています。転職のご予定がなくてもまったく問題ないので、もし興味があれば、一度お茶でもしながら情報交換できたら嬉しいです。

ブランクのある美容師へのDM

美容師免許を持っていても、現在は美容師として働いていない人は少なくありません。前述のリクルートの調査では、美容師免許保有者のうち現在美容師として働いていない人の割合(休眠美容師率)が58.3%と報告されています。

子育てなどで一度現場を離れ、インスタで「また美容師に戻りたい」と発信している人もいます。こうした人には、復帰のサポート体制を伝えるDMが有効です。

〔名前〕さん、はじめまして。〔サロン名〕の〔自分の名前〕です。
〔投稿の内容〕の投稿を拝見し、ご連絡しました。
うちには、ブランクを経て復帰したスタイリストが〔人数〕名在籍していて、〔復帰サポートの内容:練習期間・時短勤務など〕を用意しています。もし美容師への復帰を考えるタイミングがあれば、一度お話しできたら嬉しいです。

DMを送る前に、受け皿を整えておく

DMを受け取った人は、ほぼ確実にサロンのアカウントを確認します。プロフィールに採用情報がない、投稿が何か月も止まっている、という状態だと返信は来ません。DMは、前の章までで解説した発信の土台ができてから始めましょう。

DMの文面パターンや返信率を上げるコツは、SNS採用全般の考え方として「SNS採用広告の完全ガイド」でもまとめています。

見学・体験につなぐ「応募の手前」の受け皿

美容室のSNS採用で成果を分けるのは、SNSを見た人に「次の一歩」を用意しているかどうかです。いきなり応募フォームに誘導しても、多くの人はそこで止まってしまいます。

応募より手前の選択肢を複数つくる

  • サロン見学:営業中のサロンを30分ほど見てもらう。学生・中途どちらにも使える
  • 学生向け練習会・座談会:先輩アシスタントと話せる場。オーナーや店長は少し離れているくらいがちょうどいい
  • カジュアル面談:中途スタイリスト向け。選考ではなく情報交換であることを明確にする
  • インスタライブ:オーナーや先輩スタッフが質問に答える。顔を出して直接話すのは緊張する、という学生でも参加しやすい
  • お客様としての来店:施術を受けて雰囲気を知ってもらう

プロフィールやハイライトには、「見学はDMで受付中」「〇月〇日に学生向け座談会を開催」など、具体的な次のアクションを明記しておきます。

見学・面談のあとは、すぐに連絡する

見学や面談に来てくれた人には、当日中か翌日までにお礼のDMを送りましょう。求人倍率が高い職種では、相手は複数のサロンを同時に見ています。連絡が遅れるだけで、他のサロンに決まってしまうことがあります。

〔名前〕さん、今日は見学に来てくれてありがとうございました!
〔見学中のやり取りに触れる一言〕。スタッフ一同、また会えるのを楽しみにしています。
気になることがあれば、いつでもDMで聞いてくださいね。

数字で追いかける

SNS採用を「なんとなく」で終わらせないために、最低限次の数字を月ごとに記録しておきましょう。

段階見る数字伸びないときに見直すこと
認知TikTok・リールの再生数投稿のテーマ、冒頭の数秒
興味プロフィールアクセス数、保存数プロフィール文、ハイライトの整理
接点見学・座談会の申し込み数、DM数次のアクションの書き方、参加のハードル
応募見学から応募に進んだ数見学当日の対応、お礼連絡の速さ
定着入社後半年・1年の在籍状況入社前に伝えた内容と実態のずれ

最後の「定着」まで追いかけることが大切です。SNSで伝えていた雰囲気と入社後の実態にずれがあると、早期離職につながり、それがまた口コミで広がってしまいます。

美容室のSNS採用で気をつけたいこと

最後に、SNS採用ならではの注意点をまとめます。

求人情報は正確に、最新に保つ

2022年10月に施行された改正職業安定法では、自社で労働者を募集する企業にも、求人情報について虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしないこと、募集内容を正確かつ最新の状態に保つことが求められるようになりました(厚生労働省のリーフレットより)。

SNSの投稿は、採用ページに比べてつい軽い表現になりがちです。「月給〇〇万円以上可能!」と一部のトップスタイリストの例だけを強調したり、募集を終了した求人の投稿を放置したりすると、誤解を招く原因になります。給与の例を出すときは、「指名売上〇〇万円の場合のモデル例」など、前提条件をあわせて書くようにしましょう。

また、2024年4月からは労働条件の明示ルールも見直され、募集時には就業場所や業務の変更の範囲なども明示することになっています。SNSから応募につなげる場合も、正式な募集内容は採用ページや求人票で確認できるようにしておくと安心です。

写真・動画に写る人の同意を取る

スタッフやお客様が写る写真・動画を投稿するときは、必ず本人の同意を取りましょう。退職したスタッフが写った投稿をどうするかも、あらかじめ決めておくとトラブルを防げます。

「盛りすぎ」は早期離職のもと

SNSで良い面だけを見せると、応募は増えても入社後のギャップで辞めてしまいます。アシスタント期間の大変さ、練習の量、忙しい時期の様子なども、隠さずに伝えた方が、結果的に長く働いてくれる人が集まります。

「大変なこともあるけれど、こうやって支えている」という伝え方なら、ネガティブな情報もサロンの信頼につながります。

採用担当を決めて、DMを放置しない

SNSから届いたDMやコメントに返信がないと、「この店は対応が遅い」という印象を与えます。特に複数店舗を展開しているサロンでは、誰が採用関連のDMに返信するのかを決めておきましょう。

炎上・誹謗中傷への備え

スタッフが顔を出して発信する以上、心ないコメントがつくこともあります。コメントへの対応方針(削除するか、返信するか)や、スタッフが不安を感じたときに相談できる窓口を決めておきましょう。スタッフを守る姿勢そのものが、職場としての魅力にもなります。

SNS採用を自社だけで回すのが難しい場合は、運用の一部を外部に任せる方法もあります。依頼先の選び方は「SNS採用コンサルの選び方・費用相場」で解説しています。

まとめ:美容室のSNS採用は「空気感」と「仕組み」を正直に見せること

美容師の有効求人倍率は5倍を超え、入社しても3年以内に職場を離れる人が少なくない業界です。だからこそ、求人票では伝わらないサロンの空気感や、給与・教育の仕組みを正直に見せられるSNSは、美容室の採用に欠かせない手段になっています。

  • 新卒(美容学生)には先輩アシスタントの等身大の姿を、中途スタイリストには給与・集客・働き方の仕組みを、数字で伝える
  • Instagramは「確かめに来る場所」、TikTokは「知ってもらう入口」と役割を分ける
  • 学生はフォローせずに見ていることが多いため、フォロワー数ではなくプロフィールアクセスや見学申し込み数で成果を見る
  • オーナー自身の考え方を発信すると、価値観の合う人が集まり、ミスマッチが減る
  • スタッフ個人アカウントは強力な採用チャネル。ただし強制せず、写真の同意や退職時の扱いなどのルールを先に決める
  • DMは見学・座談会・カジュアル面談など、応募より手前の場に誘う
  • 求人情報は正確に、最新に。良い面だけを盛らない

PRESNSでは、経営者・オーナーの発信を軸にしたSNS採用の設計から、Instagram・TikTokのアカウント運用、DMによるアプローチまで一貫して支援しています。「スタッフはインスタを頑張っているのに採用につながっていない」「オーナーとして何を発信すればいいかわからない」という美容室オーナーの方は、お気軽にご相談ください。