ソーシャルリクルーティングとは|従来の採用との違い・メリット・SNS別の始め方
「求人広告を出しても応募が来ない」「人材紹介の手数料が重い」「若い人はみんなSNSを見ているらしいが、採用にどう使えばいいのかわからない」——こうした悩みから、ソーシャルリクルーティングを調べ始めた経営者・採用担当者の方は多いのではないでしょうか。
ソーシャルリクルーティングは、ひとことで言えば「SNSを使って、企業が候補者と直接つながる採用」です。大手企業だけのものと思われがちですが、実は知名度や採用予算で大手に勝てない中小企業ほど相性のいい手法でもあります。代表や社員の顔、仕事の中身、職場の空気といった「求人票には書けない魅力」を、自分たちの言葉で届けられるからです。
一方で、「アカウントを作って何本か投稿したが、何も起きなかった」という声もよく聞きます。ソーシャルリクルーティングは、求人広告のように出せば応募が来る仕組みではありません。何のために、誰に向けて、どのSNSで、どう続けるかを設計して初めて成果につながります。
この記事では、ソーシャルリクルーティングの定義から、従来の採用手法との違い、メリット・デメリット、主要SNS別の使い分け、始め方、成功事例に共通する傾向までを、中小企業の目線で整理します。
PRESNSの採用支援でも、チャンネル登録者数やフォロワー数がまだ少ない段階から、社長本人が現場のリアルや経営の判断基準を発信したYouTube・SNS経由で採用が決定しています。現代の求職者は、面接前に社名と社長名を検索してSNSや動画を見てから志望度を固めて応募してきます。
ソーシャルリクルーティングとは
SNSを使って候補者と直接つながる採用手法
ソーシャルリクルーティング(Social Recruiting)とは、Instagram・X(旧Twitter)・TikTok・YouTube・LinkedIn・FacebookなどのSNS(ソーシャルメディア)を活用して行う採用活動の総称です。日本語では「SNS採用」とほぼ同じ意味で使われます。
具体的には、次のような活動がすべて含まれます。
- 採用用・会社用のSNSアカウントで、仕事内容や社員、職場の雰囲気を発信する
- 経営者や社員が個人アカウントで、自分の仕事観や会社の考え方を発信する
- SNS上で気になる人を見つけ、DM(ダイレクトメッセージ)で声をかける
- SNS広告で、ターゲットに近い人に求人情報や採用動画を届ける
- 社員のSNS上のつながりを通じて、知人を紹介してもらう
- SNSのライブ配信やオンラインイベントで、候補者と交流する
ポイントは、企業と候補者の間に求人媒体や人材紹介会社などの「仲介者」を挟まず、直接コミュニケーションをとれることです。
「SNS採用」「ダイレクトリクルーティング」との違い
似た言葉に「ダイレクトリクルーティング」があります。これは、企業が自ら候補者を探して直接アプローチする「攻めの採用」全般を指す言葉で、スカウト型の求人サービスを使う方法も含みます。
| 用語 | 意味 | 主な場所 |
|---|---|---|
| ソーシャルリクルーティング | SNSを使った採用活動全般(発信・DM・広告・紹介など) | Instagram、X、TikTok、YouTube、LinkedInなど |
| SNS採用 | ソーシャルリクルーティングとほぼ同義 | 同上 |
| ダイレクトリクルーティング | 企業が自ら候補者を探し、直接アプローチする採用 | スカウト型求人サービス、SNS、イベントなど |
つまり、ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングは重なる部分があります。SNSのDMで候補者に声をかけるのは、両方に当てはまる活動です。ただし、ソーシャルリクルーティングには「発信して見つけてもらう」という、待ちと攻めの中間のような側面がある点が大きな特徴です。
「企業が発信するもの」だけがソーシャルリクルーティングではない
上位の解説記事ではあまり触れられていませんが、中小企業がとくに意識しておきたい視点があります。それは、候補者は企業の公式発信だけでなく、社員や元社員の投稿、口コミも含めて会社を判断しているということです。
マイナビの「転職動向調査2025年版」によると、2024年に転職した正社員のうち、退職後に前職の企業についてSNSや口コミサイトへ投稿したことがある人は51.3%でした。同じくマイナビが中途採用担当者に行った調査では、65.9%がSNSで自社の仕事をほのめかす投稿や、口コミサイトで自社のネガティブな情報を見かけたと回答しています。
つまり、会社が何も発信していなくても、SNS上では誰かが会社について語っている可能性があります。ソーシャルリクルーティングは「新しい採用チャネルを増やす」取り組みであると同時に、「SNS上で自社がどう見えているかを、自分たちの手で整える」取り組みでもあるのです。
いま中小企業でソーシャルリクルーティングが注目される理由
人手不足が深刻で、従来の手法だけでは採りきれない
日本商工会議所・東京商工会議所が2024年1月に実施した「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査」では、人手が「不足している」と答えた中小企業は65.6%で、約3社に2社にのぼりました。業種別では建設業が78.9%、運輸業が77.3%、介護・看護業が76.9%と、とくに現場系の業種で不足感が強く出ています。
人が足りない会社が多いということは、同じ求人媒体の中で多くの会社が同じ人材を取り合っているということです。給与や知名度で大手に並べない中小企業は、求人広告の一覧の中では埋もれてしまいがちです。そこで、求人媒体の外にいる人に、自社ならではの魅力を直接届ける手段としてSNSが注目されています。
求職者の情報収集の場所がSNSに移っている
総務省の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(令和7年版情報通信白書で紹介)によると、2024年のLINEの利用率は全体で94.9%、XとInstagramはいずれも全体の半数程度が利用しており、50代でも4割以上が使っています。SNSは若者だけのものではなくなりました。
採用の場面でも同じ変化が起きています。マイナビの調査では、就職活動の準備でSNSを使ったことがある大学生は68.2%でした。情報収集に使っているSNSは、LINE(公式アカウントなど)が45.6%、Xが36.4%、Instagramが32.7%、YouTubeが26.0%、TikTokが12.9%となっています。
求人票や会社HPを見る前に、まずSNSで会社名を検索して「どんな人が働いているか」「雰囲気はどうか」を確かめる。そうした行動が当たり前になりつつあります。SNS上に何も情報がない会社は、それだけで候補から外れてしまう可能性があるのです。
「仕事内容」より「誰と働くか」が見られるようになった
給与や休日などの条件は、求人票で比較できます。しかし、「この会社の社長はどんな人か」「先輩は優しいか」「現場の空気はピリピリしていないか」といった情報は、求人票ではほとんど伝わりません。
SNSでは、動画や日々の投稿を通じて、こうした「人」と「空気」の情報を伝えられます。とくに中小企業では、代表の考え方や人柄が会社の雰囲気そのものを左右します。代表が自分の言葉で発信することは、それ自体が強力な採用メッセージになります。経営者の発信がブランディングにどうつながるかは「経営者ブランディングとは」で詳しく解説しています。
従来の採用手法との違い
ソーシャルリクルーティングと、求人広告・人材紹介・ハローワークといった従来の手法の違いを整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 求人広告 | 人材紹介 | ソーシャルリクルーティング |
|---|---|---|---|
| アプローチの向き | 応募を待つ | 紹介を待つ | 発信して見つけてもらう+自ら声をかける |
| 届く相手 | 今まさに転職活動中の人 | エージェントに登録している人 | 転職を考えていない潜在層も含む |
| 費用の発生 | 掲載期間ごとの掲載費 | 採用決定時の成功報酬 | アカウント運用は無料、かかるのは人件費・制作費・広告費 |
| 伝えられる情報 | 求人票のフォーマットの範囲 | エージェント経由で間接的に | 動画・写真・文章で自由に |
| 成果が出るまで | 掲載後すぐ反応が出ることもある | 紹介があればすぐ | 数か月単位で積み上がる |
| 資産性 | 掲載終了で消える | 残らない | 投稿・フォロワーが会社に残る |
「点」の採用から「線」の採用へ
求人広告や人材紹介は、欠員が出たときに募集をかけ、採用が決まったら終わる「点」の採用です。一方、ソーシャルリクルーティングは、日頃から発信を続けてフォロワーとの関係を育て、「いつか転職するときに思い出してもらう」ことを目指す「線」の採用です。
今すぐ転職する気がない人でも、半年後、1年後に状況が変わることがあります。そのときに真っ先に思い浮かぶ会社になれるかどうかが、ソーシャルリクルーティングの勝負どころです。
費用構造が「掲載費」から「運用の手間」に変わる
ソーシャルリクルーティングは、アカウントの開設や投稿自体は無料です。ただし、「無料で採用できる」わけではありません。企画・撮影・編集・投稿・DM対応にかかる社員の時間、動画制作を外注する場合の費用、SNS広告を出す場合の広告費などが発生します。
お金の出ていき方が「掲載費」から「運用の手間」に変わる、と捉えるのが現実的です。具体的な費用感は「採用SNSの費用はいくら?自社運用・広告・代行の相場と内訳」でまとめています。
ソーシャルリクルーティングのメリット
1. 転職潜在層にアプローチできる
求人媒体に登録しているのは、すでに転職を決めている人だけです。SNSには、「今の職場に大きな不満はないが、いい会社があれば話を聞きたい」という潜在層が多くいます。この層は競合他社がまだ接触していないことが多く、採用競争を避けて出会える可能性があります。
2. 入社後のミスマッチを減らせる
SNSで普段の仕事の様子や社員の人柄を見てから応募した人は、入社前から会社のことをある程度理解しています。「思っていた会社と違った」という早期離職の原因を、入社前に減らすことができます。
企業側にとっても、候補者の投稿内容から人柄や価値観をある程度知ることができます。ただし、SNSの投稿がその人のすべてではないため、最終的な判断は面談や選考で行うことが大切です。
3. 採用コストを抑えやすい
アカウント運用自体に掲載費や成功報酬はかかりません。SNS経由で採用できる人数が増えるほど、1人あたりの採用コストは下がっていきます。人材紹介への依存度を下げたい会社にとっては、大きなメリットです。
4. 発信が会社の「資産」として残る
求人広告は掲載期間が終われば消えますが、SNSの投稿やフォロワーは会社に残ります。続けるほど、会社の認知度や信頼が積み上がっていきます。
5. 採用以外の効果も生まれる
採用のための発信が、取引先や顧客からの信頼につながったり、社員が自社を誇りに思うきっかけになったりすることがあります。採用と広報・ブランディングが一体になる点も、ソーシャルリクルーティングならではの特徴です。
ソーシャルリクルーティングのデメリット・注意点
1. 成果が出るまでに時間がかかる
SNSのアカウントは、開設してすぐにフォロワーが増えるわけではありません。発信を続けて認知を広げ、関係を育てるには、少なくとも数か月単位の時間が必要です。「来月までに1人採りたい」という急ぎの採用には向きません。急ぎの採用は求人広告や人材紹介、中長期の採用はSNS、というように使い分けるのが現実的です。
2. 運用の手間と担当者が必要
投稿の企画、撮影、編集、コメントやDMへの対応など、継続的な作業が発生します。担当者を決めずに「手が空いた人がやる」状態にすると、ほぼ確実に更新が止まります。更新が止まったアカウントは、かえって「この会社は大丈夫か」という印象を与えかねません。
3. 炎上・情報漏えいのリスクがある
SNSは拡散力が高い分、不用意な投稿が炎上につながるリスクもあります。とくに注意したいのは次のような点です。
- 社員や取引先の顔・名前を、本人の同意なく出す
- 写真や動画の背景に、顧客情報や社内資料が映り込む
- 長時間労働や休日出勤を「頑張っている姿」として美化する
- 特定の属性(性別・年齢など)を前提にした冗談や表現
投稿前に別の人がチェックする仕組みと、何を投稿してよいか・いけないかを決めたガイドラインをつくっておくと安心です。
4. 求人情報の表示ルールにも注意が必要
2022年10月に施行された改正職業安定法では、求人企業に対して、求人情報や自社に関する情報について虚偽の表示や誤解を生む表示をしないこと、募集を終了・変更したら速やかに情報を更新することなどが求められるようになりました(厚生労働省のリーフレットより)。
また、2024年4月からは、募集時に明示すべき労働条件として「従事すべき業務の変更の範囲」「就業の場所の変更の範囲」「有期労働契約の更新基準(通算契約期間や更新回数の上限を含む)」が追加されています。
SNSの投稿は気軽な表現になりがちですが、「残業ほぼゼロ」「誰でも月収◯◯万円」といった実態と異なる書き方は避けましょう。SNSは興味を持ってもらう入り口と位置づけ、正確な労働条件は採用ページや求人票で明示する、という役割分担にしておくのがおすすめです。判断に迷う場合は、都道府県労働局やハローワーク、社会保険労務士などに確認してください。
5. 「バズ」と「採用」は別物
再生回数が伸びた動画が、そのまま応募につながるとは限りません。おもしろ動画で何十万回再生されても、見ている人が採用ターゲットと違えば、応募にはつながりません。逆に、再生回数は数百〜数千回でも、ターゲットにしっかり届いていれば採用につながることがあります。数字の大きさより、「誰に届いているか」を見ることが大切です。
主要SNS別の使い分け
ソーシャルリクルーティングでは、すべてのSNSに手を出す必要はありません。採りたい人がよく使っているSNSに絞って、まずは1〜2媒体から始めるのが現実的です。
| SNS | 向いている採用 | 発信の形式 | 主な使い方 |
|---|---|---|---|
| 新卒・若手、接客・美容・飲食・保育など | 写真、リール(短尺動画)、ストーリーズ | 職場の雰囲気、社員紹介、1日の流れ | |
| X(旧Twitter) | エンジニア、企画職、経営者の考えに共感する人 | 短文テキスト | 代表・社員の考え方、業界の知見、日々の気づき |
| TikTok | 若手、現場職(建設・運送・介護・飲食など) | 縦型の短尺動画 | 仕事風景、職人技、社員のキャラクター |
| YouTube | 新卒・中途全般、仕事内容が複雑な職種 | 長尺動画、ショート動画 | 社長インタビュー、仕事密着、座談会 |
| 管理職・専門職・外資系志向のビジネス層 | ビジネス投稿、プロフィール | 経歴・スキルでの検索、スカウト | |
| 30代以上の中途、地域のつながり | テキスト+写真 | 代表の発信、知人経由の紹介 |
Instagram:職場の「空気」を伝える
Instagramは、写真や短尺動画で雰囲気を伝えるのが得意なSNSです。オフィスや店舗の様子、社員の表情、イベントの風景など、「ここで働いたらこんな感じ」がイメージできる投稿が向いています。プロフィールに採用ページへのリンクを置き、ストーリーズで日々の小さな出来事を発信すると、フォロワーとの距離が縮まります。
X(旧Twitter):考え方や価値観で惹きつける
Xは文章での発信が中心で、代表や社員の「考え方」が伝わりやすいSNSです。仕事観、業界への問題意識、経営判断の裏側などを発信すると、その価値観に共感した人が集まってきます。エンジニアや企画職など、「誰と働くか」「どんな考えの会社か」を重視する職種と相性がいい媒体です。
TikTok:現場職・若手へのリーチ力が高い
TikTokは、フォロワーが少なくても、内容次第でおすすめに表示されて多くの人に届く可能性があるSNSです。建設、運送、介護、飲食など現場系の職種では、仕事の様子や職人の手さばき、社員の素の姿を見せる動画が、若手人材の興味を引くきっかけになります。タクシー業界でも、社長や部長が出演する動画で大きくフォロワーを増やし、若手の採用につなげている会社の例が紹介されています。建設業での活用法は「建設業のTikTok活用」で詳しく紹介しています。
YouTube:じっくり理解してもらう
YouTubeは、10分以上の長い動画でも見てもらえるSNSです。社長インタビュー、仕事の1日密着、社員座談会など、文章や短尺動画では伝えきれない内容を届けられます。候補者が応募や面接の前に会社のことを確かめる場として見てもらえるよう、検索で見つけやすいタイトルをつけておくとよいでしょう。ショート動画で興味を持ってもらい、長尺動画で理解を深めてもらう、という組み合わせも有効です。
LinkedIn:ビジネス層にピンポイントで届ける
LinkedInは、経歴やスキルを登録したビジネス向けのSNSです。管理職や専門職、外資系企業での経験者など、特定のスキルを持つ人を検索して声をかけるのに向いています。ほかのSNSに比べてスカウトメッセージへの抵抗感が低いのも特徴です。
Facebook:つながりを通じた紹介に強い
Facebookは実名での利用が中心で、30代以上のユーザーが多いSNSです。地域の経営者コミュニティや同業者のつながりが活きやすく、代表の発信を通じて知人からの紹介(リファラル)が生まれることもあります。
迷ったら「代表の発信+現場の動画」から
どのSNSにするか迷ったら、まずは「代表が自分の考えを発信するアカウント」と「現場の様子を見せる動画アカウント」の2本立てを検討してみてください。中小企業の採用では、「この社長の下で働きたい」と「この現場なら自分にもできそう」の両方がそろったときに、応募の決め手になりやすいからです。
ソーシャルリクルーティングの始め方6ステップ
ここからは、ソーシャルリクルーティングをゼロから始めるための手順を紹介します。

ステップ1:採用の目的とターゲットを決める
まず、「誰を・いつまでに・何人採りたいか」を決めます。職種や経験だけでなく、次のようなレベルまで具体的にしておくと、発信の内容がぶれにくくなります。
- 年齢層や経験年数(例:20代後半、施工管理の経験3年以上)
- 今どんな会社で働いていて、どんな不満や迷いを持っていそうか
- 普段どんなSNSを見ていそうか
- 自社のどんな点に魅力を感じてくれそうか
ステップ2:自社の「伝えるべき魅力」を言葉にする
給与や休日で大手に勝てなくても、中小企業には中小企業なりの魅力があります。「社長との距離が近い」「若いうちから任される」「地元で働ける」「技術が身につく」など、ターゲットに刺さりそうな魅力を3つ程度に絞って言葉にしておきます。
社員に「入社を決めた理由」「この会社の好きなところ」を聞いてみると、経営者が気づいていない魅力が見つかることもあります。
ステップ3:使うSNSを1〜2個に絞る
ターゲットがよく使っているSNSを選びます。最初から全部のSNSを運用しようとすると、どれも中途半端になります。まずは1〜2媒体に集中し、運用が回るようになってから広げるのがおすすめです。
ステップ4:運用体制とルールを決める
誰が企画し、誰が撮影・投稿し、誰がチェックし、誰がDMやコメントに返信するのかを決めます。あわせて、次のようなルールもつくっておきましょう。
- 投稿の頻度(例:週2本)
- 出演する社員の同意の取り方
- 投稿してはいけない内容(顧客情報、社外秘、誇張した労働条件など)
- 炎上やトラブルが起きたときの連絡ルート
ステップ5:発信と受け皿づくりを並行して進める
発信を始めると同時に、SNSを見て興味を持った人がスムーズに応募できる「受け皿」を整えます。
- プロフィールに会社名・事業内容・採用中であることを書く
- 採用ページや応募フォームへのリンクを置く
- 「まずはカジュアルに話を聞く」など、応募より軽い入り口を用意する
- DMで質問が来たときの返信担当と、返信までの目安時間を決める
SNSの投稿をどれだけ頑張っても、その先の導線が分かりにくければ応募にはつながりません。
ステップ6:数字を見て改善する
ソーシャルリクルーティングは、始めてからの改善が成果を大きく左右します。最初の目安として、次の数字を月1回見る習慣をつけましょう。
| 段階 | 見る数字 | 改善のヒント |
|---|---|---|
| 認知 | 再生回数・表示回数、フォロワー数 | 冒頭の数秒、タイトル、投稿時間を見直す |
| 興味 | プロフィールへのアクセス、保存数 | ターゲットに刺さる企画になっているか確認 |
| 接点 | DM・問い合わせ数、採用ページへのクリック | プロフィールの導線、呼びかけの言葉を見直す |
| 応募 | 応募数、カジュアル面談数 | 応募のハードルを下げる |
| 採用 | 採用数、SNS経由の比率 | 面談・選考のスピードと伝え方を見直す |
フォロワー数や再生回数だけを見ていると、「伸びているのに採用につながらない」状態に気づけません。最終的には「SNS経由で何人応募があり、何人採用できたか」まで追うことが大切です。運用の具体的なノウハウは「SNS採用広告の完全ガイド」もあわせてご覧ください。
ソーシャルリクルーティングの成功事例に共通する傾向
ソーシャルリクルーティングで成果を出している企業には、業種や規模を問わず、いくつかの共通点があります。ここでは個別の企業名よりも、中小企業が再現しやすい「傾向」に注目して整理します。
傾向1:「誰が発信しているか」がはっきりしている
成果が出ているアカウントの多くは、発信者の顔が見えます。会社の公式アカウントでも、代表や特定の社員がキャラクターとして登場し、「この人がいる会社」として認識されています。顔の見えない宣伝的な投稿より、人の顔と声が見える投稿のほうが、見る人の記憶に残りやすいのです。
中小企業の場合、最も強い発信者は代表です。代表が自分の言葉で「なぜこの事業をやっているのか」「どんな人と働きたいのか」を語ることで、価値観に共感した人が集まりやすくなります。
傾向2:かっこよさより「リアル」を見せている
きれいに作り込んだ採用動画より、現場の素の様子や、仕事の大変さも含めて見せている発信のほうが、応募につながりやすい傾向があります。「大変なこともあるが、こういうやりがいがある」と正直に伝えることで、入社後のギャップが減り、定着にもつながります。
傾向3:業界のイメージを逆手にとっている
「きつい」「古い」と思われがちな業界ほど、SNSでの発信がイメージを変えるきっかけになっています。建設、運送、介護、製造などの現場系の業種で、若手社員の日常や職人技、明るい職場の様子を発信し、「思っていたのと違う」という驚きから興味を持ってもらうパターンです。
傾向4:発信とDM・面談がつながっている
発信だけで終わらず、フォロワーやコメントをくれた人に声をかける、気軽な面談の場を用意するなど、「見てくれた人と直接話す」仕組みがある会社ほど、採用につながっています。SNSでの関係づくりと、個別のコミュニケーションがセットになっているのが特徴です。
傾向5:短期で結果を求めず、続けている
成功している企業の多くは、最初の数か月はほとんど反応がない時期を経験しています。それでも発信を続けた結果、ある時点から問い合わせや応募が増え始めた、というケースが少なくありません。続けられる体制をつくったことが、成功の土台になっています。
成果が出ている企業に共通するのは、「ショート動画(TikTok・Instagramリール・YouTube Shorts)で認知を広げ、長尺YouTubeやX・記事で深い信頼を形成し、公式LINEや採用エントリーページで受け止める」という入口→信頼→受け皿の役割分担を徹底している点です。
業種別の具体的な事例は「SNS採用の成功事例」で詳しく紹介しています。
よくある失敗と対策
失敗1:求人広告をそのまま投稿している
「◯◯職募集!月給◯◯万円〜」といった求人票のような投稿ばかりでは、SNSで見てもらえません。SNSのユーザーは、広告を見に来ているわけではないからです。
対策: 求人の告知は全体の1〜2割程度にとどめ、残りは仕事の中身や人の魅力が伝わる投稿にします。
失敗2:担当者1人に丸投げしている
若手社員に「SNS得意でしょ」と任せきりにすると、ネタ切れや業務との両立で、数か月後に更新が止まりがちです。
対策: 経営者が目的と方針を示し、企画会議を定期的に開くなど、会社として取り組む体制にします。
失敗3:フォロワー数だけを目標にしている
フォロワーが増えること自体はよいことですが、採用ターゲットと違う層ばかり増えても、応募にはつながりません。
対策: 目標は「SNS経由の応募数」「カジュアル面談数」など、採用に近い数字で設定します。
失敗4:受け皿が整っていない
SNSで興味を持った人が、どこから応募すればいいかわからない、DMを送っても返事が遅い、という状態では、せっかくの機会を逃してしまいます。
対策: プロフィールのリンク、カジュアル面談の入り口、DMの返信ルールを、発信を始める前に整えておきます。
失敗5:社内の理解がないまま始めている
社員がSNSへの出演を嫌がっていたり、「採用のために余計な仕事が増えた」と感じていたりすると、発信の雰囲気にもそれが表れます。
対策: なぜSNSで採用に取り組むのかを社内で共有し、出演は本人の同意を得たうえで、無理のない範囲から始めます。
まとめ
ソーシャルリクルーティングとは、SNSを使って企業が候補者と直接つながる採用手法です。知名度や予算で大手と勝負しにくい中小企業にとって、自社の「人」と「空気」を直接届けられる有力な選択肢になります。
- ソーシャルリクルーティングは、SNSでの発信・DM・広告・紹介などを含む採用活動の総称
- 求人広告や人材紹介が「点」の採用なら、SNSは関係を育てる「線」の採用
- 転職潜在層へのアプローチ、ミスマッチの減少、採用コストの抑制などのメリットがある
- 成果が出るまで時間がかかり、運用体制や炎上対策、求人情報の表示ルールへの配慮も必要
- SNSは採りたい人に合わせて1〜2媒体に絞り、「代表の発信+現場の動画」から始めるのが現実的
- 成功している会社は、発信者の顔が見え、リアルを見せ、発信とDM・面談をつなげて続けている
「SNSで採用したいが、何を発信すればいいかわからない」「社内に運用できる人がいない」という場合は、外部の支援を使うのも一つの方法です。
PRESNSでは、経営者・代表の発信を軸に、SNS採用の設計からアカウント運用、動画制作、DMによるアプローチまで一貫して支援しています。「社長の想いが伝わる発信で、一緒に働きたい人を集めたい」とお考えの方は、お気軽にご相談ください。
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執筆:PRESNS編集部 / 監修:本庄隼人(株式会社HAYABUSA 代表取締役)